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医療法人社団三朋会 嶺 整形外科クリニック

風疹

2019.07.01
風疹
風疹とは、風疹ウイルスを原因とし、発熱や発疹、リンパ節の腫れを主症状とする感染症です。
別名「三日はしか」の名前でも知られていますが、この俗称は、風疹がはしか(麻疹)に類似する症状をみせ、麻疹より短い期間で治癒することを意味しています。
しかし、妊婦さんが風疹ウイルスに感染すると、赤ちゃんに「先天性風疹症候群」という重篤な合併症が生じることが知られています。
先天性風疹症候群の予防のため、妊娠可能年齢の女性だけではなく成人男性の風疹ワクチン接種の促進を目指し、公的機関による啓発活動が行われています。
合併症の伴わない風疹は、麻疹よりも軽い症状で経過します。

感染経路
風疹は、風疹ウイルスに感染することで発症します。風疹ウイルスに感染した患者さんの咳や鼻水などを介する飛沫感染により、他者への感染が成立します。気道から侵入した風疹ウイルスは、鼻や喉などのリンパ節で増殖し、血液を介して全身へ広がって、発熱や発疹などの症状を引き起こすようになります。

名前が似ている「麻疹ウイルス」は非常に感染力が強く、1人感染者がいると、およそ15人前後の免疫を獲得していない人に感染するといわれています。一方、風疹ウイルスは5人前後に感染を広げるといわれています。
しかし、インフルエンザウイルスと比べると感染力は強いこともわかっています。
風疹の流行を抑えるためには、予防接種により集団における免疫を持った人の割合を増やすことが重要と考えられています。

潜伏期間と症状
風疹ウイルスが体内に侵入してから、症状が出るまでの潜伏期間は2~3週間です。
倦怠感や微熱、首のリンパ節の腫れなどが現れます。特に耳の後ろや後頭部が腫れることが特徴的です。
リンパ節の腫れが引くには数週間程度かかります。
初期症状が現れて3~7日前後が経過すると発疹がみられます。発疹は顔から全身へと広がります。
別名「三日はしか」と呼ばれることから示唆されるように、発疹は数日ほどでおさまり、跡を残すこともほとんどないといわれます。
発疹が現れる数日前から出現後1週間が、感染力の強い期間です。

妊婦さんと風疹の関係
妊婦さんが風疹ウイルスに感染すると、赤ちゃんが先天性風疹症候群にかかり、心臓や眼、耳などに重篤な合併症を発症する危険があります。
妊娠初期の女性が風疹ウイルスに感染すると、生まれてくる赤ちゃんに「先天性風疹症候群」という先天的な病気が生じる可能性もあるため、ワクチン摂種による予防が重要です。
日本ではワクチンを無料で接種できます。1歳のときと小学校入学前1年間の2回打つことで風疹を予防できるとされます。
また、妊娠適齢期にワクチン接種を受け、妊娠が成立する前に風疹ウイルスに対する免疫を獲得しておくことが推奨されます。

出典:東京都医学総合研究所

東京都感染症情報センター
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/

国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ha/rubella.html

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