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骨密度検査をされた方へ


2000年のNIHコンセンサスステートメントによれば骨強度には骨密度だけでなく骨質が30%関与すると示されています。
骨質の評価には図のように様々な要因がありますが、最近の知見では、骨を鉄筋コンクリートに例えると鉄筋にあたるコラーゲン架橋の異常な過老化による微細骨折が問題になっています。
■骨の強度を左右するコラーゲン架橋
・骨の材質はミネラル成分とコラーゲン基質から構成されます。
骨は鉄筋に相当するコラーゲンの架橋と、コンクリートに相当するミネラル成分からなる鉄筋コンクリート(複合材料)とみなすことができます。
コラーゲンが骨に占める割合は重量比では約20%にすぎませんが、体積比にすると50%となり骨質に与える影響が強いと考えられています。
コラーゲン分子の集合体であるコラーゲン線維の強度を決めているのは、隣り合う繊維をつなぎとめるコラーゲンの架橋です。
そのコラーゲンの架橋には善玉架橋と悪玉架橋があり、コラーゲン線維の強度に影響を与えます。
■善玉コラーゲン架橋と悪玉コラーゲン架橋のちがい。
善玉コラーゲン架橋は骨芽細胞から分泌された酵素反応を介して、正常な生体反応によって形成される「生理的架橋」です。
それに比べ、悪玉コラーゲン架橋は酵素反応を介さず、糖化や酸化により場当たり的に形成される「非生理的架橋」です。悪玉架橋は老化や糖尿病など酸化や糖化が亢進される状態では、より過形成されることが分かっています。
■悪玉架橋を増やさない食生活
悪玉コラーゲン架橋は動脈硬化の原因として知られているホモシステインの酸化作用によって作られると考えられています。
ホモシステインは必須アミノ酸の「メチニオン」が代謝される過程で作られる物質で、本来ならばすぐに代謝されますが、加齢や生活習慣による代謝異常によって増加してしまいます。
■ホモシステインの代謝を助ける成分
・ビタミンB12
多く含む食品:しじみ・あさり・はまぐり、レバー、さんま・にしん、海苔
・ビタミンB6
多く含む食品:にんにく、ごま、ピーナッツ、マグロ赤身、肉類
・葉酸
多く含む食品:海苔、モロヘイヤ、パセリ、緑茶、枝豆・空豆
■ホモシステインを増加させてしまう要因
たばこ、栄養バランスの悪い食生活など